室内換気を考える
新型コロナウイルス感染対策のひとつの「室内換気」を考えてみます。
どのように換気をすればよいのかは、先般発表されました、空気調和・衛生工学会、日本建築学会の緊急会長談話の一部を引用してみます。
まずは、換気はどのように行えばよいのでしょうか。
建築基準法では、住まいの換気は「換気回数0.5回/時間」となっています。
24時間換気システムはこの基準を満たす換気扇が取り付けられています。
積極的に窓を開けて外の空気を取り込むことが大切です。
目安は、「換気回数2回/時」です。1時間に2回、窓を開けるという意味ではなく、1時間にお部屋の空気を2回入れ替えるということです。
窓がない場合は、換気扇を最大風量での運転をお勧めします。給気口や排気口が塞がれていないことが大切です。換気ファンを運転しても給気口が閉まっていないのか、物や家具などで塞がれていないかを確認することが必要です。
そして、通常の家庭用エアコンなどは空気を循環させるだけで換気を行っていません。エアコンしかない部屋では窓開け換気を行うか、換気システムを運転することが大切です。外気を取り入れると冷暖房効率は悪くなるのですが、外気取入量を増やすなどの対策をします。
ところで、空気清浄機はどうでしょうか。
一般的な空気清浄機については、通過する空気量が換気量に比較して少ないことから、部屋全体に対して新型コロナウイルス対策に十分効果があるかどうかは不明です。空気清浄機だけに頼るのではなく、通常の自然換気を行うことが大切です。
部屋の開口部、窓やドアのどの位置を開ければ、効率よく換気ができるでしょうか。
基本は、お部屋の長手方向に空気の流れを作るとよいです。
窓の位置に偏りがあると、部屋の中で空気が停滞する場所ができます。引き違い窓の場合は、なるべく、長手方向、対角線になるように窓を開けると、部屋全体を早く換気できます。停滞する場所に、サーキュレーターや扇風機を置いて空気の流れを作るとよいです。
新築、リフォームをご検討中のかたは、光と風の流れを考えた間取りにされることをおすすめします。
光が差し込む風通しの良い、心地良い空間の中では、自然と呼吸も深くなり、免疫力も向上します。