サステナブルなエコインテリアの大切さ

2021年02月18日

数年前からシックハウス症候群、化学物質過敏症について論議されるようになりました。

住宅が工業生産化されたことも一つの要因かと思われます。

高気密、高断熱化された空間に化学物質だらけの材料を使用することにより、住み手の健康を害する結果となりました。
インテリアをデザインすることは、機能的・美的に心地良い空間を作ることですが、また直接目に見える以上の責任も負っています。

そのデザインは、環境と人の健康に責任を持つものでなければなりません。

エコインテリアとは、人の健康や環境を害さないエレメントによる室内空間です。

さらに、自然環境に配慮したサステナブルなインテリアを意識することが大切ですね。

特に、子供の体の機能(中枢神経、免疫、消化器など)は大人と比べて傷つきやすいので、室内環境の一層の注意が必要です。

一人でも多くの方が、この大切さに気づいていただければうれしく思います。 


新築した家に住み始めてから、目がチカチカして痛くなり、ひどくなると頭痛、耳鳴り、ぜんそく、アトピー性皮膚炎の悪化などさまざまな症状が出ることがあります。

このような症状がシックハウス症候群とよばれています。

生活しはじめて1~2年、もしくは何年も生活してはじめて症状が出る人もいますので、いままで原因不明とされてきました。

私たちは一日のうちおよそ80%を屋内で過ごしています。くつろぎの場であるはずの場所が、有害化学物質で汚染されているとしたらどうでしょうか。

 早くからこの問題の研究を重ねてきた、元北里大学教授の石川氏はこのように言われています。「人間の体はコップと同じです。 蛇口から注がれる水をコップが受けとめるのと同じように、有害な化学物質は体内に蓄積されある一定量までは許容されます。 しかしその人の適応能力を超えるとコップの水があふれだすようにさまざまな症状が出てしまうのです。」 (※上図参照)



昔のように隙間風が通り抜ける家屋は少なくなり、住宅の高気密・高断熱化が増えました。 そのことにより、室内空気の還流が少なくなりました。

そして、施工が簡単で素早く仕上がり低コストの新建材などが多用されるため、その中に含まれる有害化学物質が影響を及ぼしてきました。
仕上げ材や合板など内装のほとんどが化学建材です。 (※下図参照)


それから、防ダニ剤や床下のシロアリ駆除剤などは強い農薬で、有機リン系の化学物質が使われています。

次には、十分に換気されず締め切った部屋が増えてきたことも原因かと思われます。 これらに対して原因究明に取り組んでいるものの、症状の個人差があることや化学物質の多さなどがあり、まだ十分に解明されておりません。

人体には、環境ホルモンを含め数百種類の化学物質が蓄積されているということです。
環境ホルモン(内分泌かく乱化学物質)により一番影響を受ける時期が、胎児期と乳児期です。

この現実は、わずかこの半世紀で造ったものです。 このようなことから多くのかたに関心をもっていただきたい深刻な問題です。

現実的には、昔のように自然素材100%での住まいを創ることは難しいですが、せめて皮膚に触れるインテリア空間に使用する素材は、人と環境にやさしい自然素材、サステナブルなエコインテリアを取り入れてみてはいかがでしょうか。